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グレイテスト・ショーマンのnatsumiのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
4.2
レトロの21世紀フォックスのロゴがモダンデザインに変わった瞬間始まった。心臓に響く足踏みの重低音と合唱。鼓動が高まる。象やライオンの鳴き声、道具、人々の声、徐々にビートが重なっていく。ヒュージャックマンのシルエットが浮かび上がる。
”Ladies and gents, this is the moment you've waited for.”
静けさに響く囁き声。なにこの演出最高にかっこよすぎる。このシーンが好きすぎて、これを体感する為にもう一度観たい。

というものの、この映画が実在した人物P.T.バーナムを美化した感じがどうも気にくわない。観た時はバーナムが実在した人だとは知らなかったが、多くのシーンで彼が雇った人達の扱いに疑問を持った。調べてみるとやはりパフォーマー達を虐待しながらも、そのイメージを感じさせない楽しいショーを開いていたビジネスマン、「広告業のシェイクスピア」だったらしい。ここらへんが評論家に不評な理由っぽい。(あとはミュージカルとして何も新しさがないのと、時代背景に反した要素が多すぎるとか。) パフォーマンスは楽しめていたので観ている最中はサーカスの闇の部分は気にならなかった、それこそ観客の一部になった感覚なのだろう。パフォーマー達も自信に溢れていて、圧巻のパフォーマンスを見せてくれたのもある。(これについては一応ネタバレ伏せでコメントに追加しました。)名前変えたりしたら良かったのでは。

あとは個人的にゼンデイヤ演じたアナとザックエフロン演じたフィリップの薄っぺらい恋愛要素が不要に感じたのと、ザックエフロンの声が個人的にあまり好きじゃない為、明らかな中だるみを感じた。曲も他に比べても現代的なポップスっぽさが増し、ストーリー的にもバーナムクソだなと思う部分だったのだが、その後のパフォーマンスがもやもやが吹っ飛ぶ素敵なパフォーマンスだったため結果はよかった。自分は足踏みと手拍子がベースの音楽に弱いらしい。

まぁとにかくエンタメ性抜群で今年の締めにぴったりな映画だった。ほんのりプレステージとヘアスプレーっぽい。ちなみに昨日映画館の年間メンバーシップを更新した特典としてもらった無料チケット消費して観た。今は誰もいない家でサントラをガンガンかけながら足踏みしてWoah woah言ってる。あぁほんとあれもう一度体験したい。楽しかった。
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