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グレイテスト・ショーマンのpikaのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
3.0
2回目見たんだが、やっぱり映画館って凄いわ!大画面大音響がないと魔法が解けちまう。
歌が良すぎてサントラ買って死ぬほど聞きまくったせいで歌の衝撃や新鮮さがゼロの状態で見ると粗がポロポロと…
バーナムを美化してるとかそういうレベルじゃない
歌もダンスもいいんだけどカットを割りすぎてリズムを損なっているし、人間もストーリーも全て薄っぺらで、画面も綺麗過ぎるし全部CGにすら見える作り物みたいな質感。バーナムの求めた偽物そのものだなというのは敢えてなのかな。
改めてじっくり見ると歌で全部持っていかれてたんだなぁと。

バーナムの配役が最高の目くらましになってて、確かに改めて見るまでもなくバーナムはクソ野郎なんだけど、公私共に性格もイケメンなヒュー・ジャックマンが演じてる時点で全く胡散臭くならないのが凄い。ヒュー・ジャックマンの徳だ。笑
これ全部批評家にアカンべーするためのバーナムの美化した自伝的なショーでしたっていうメタオチをカットしたってことかな。

グレイテストショーマンは娯楽映画ではなくあくまでもショーで、歌とダンスをメインにしたショーを映像でまとめて劇場で見せましたという感じ。
批評家からはウケが悪くて観客の口コミでヒットしたってのはある意味で現代の映画事情を反映していて、大ヒットしたというのは、映画の形が少しずつ変化していっているってことなのかなぁと。だから批評家にアカンべーする意義ってよりも、映画という形に拘らず、娯楽という大きな括りで観客の心を掴んだことが映画そのものの間口を広げた影響力があるのかもしれない。
映画で見ると全然面白くはないし批判されるのはわかるが、楽しませ方として多くの人がこの作品で楽しんだという事実が。
個人的にはもう見なくていい笑



【1回目劇場】2018.2.16
開始1秒で涙腺が崩壊。泣きっぱなしでマスクがびしょ濡れに。
批評家の評価がイマイチという前評判はむしろ今作にとっては魅力の底上げにしかなってないんじゃなかろうか。口コミでジワジワと観客が集まり公開10週目で大ヒットの数字を叩き出すとは、作品を象徴しているようで超最高!
芸術云々語る批評家や上流階級などのお上品な方々に背を向け、名もなき民衆へと贈る最高の映画だった。

脚本が甘いとかキャラの奥行きがないとか、ドン底描写が薄くカタルシスもないとか、ほじくればいくらでも穴は出てくるだろうけど、かったるい心理描写や人間ドラマなんてそんなものは専門の人たちにお任せして、成り上がりと凋落と復活というベタな伝記ドラマをこれぞショー演出だと言わんばかりに次から次へとスピーディーに展開させ105分でスパッと締めるという、とにかく観客が楽しく幸せになることだけを目指した気概に感動した。

全曲歌もダンスも最高で、それらを魅力的に見せることに終始した潔い演出が気持ちよく、同じ歌が何度も繰り返されることがむしろ魅力になっていたりと、心へズドンと響かせる突き抜けた多幸感がたまらなかった。最高!
本物とか偽物なんてものは、人間の出自や見た目の違いくらい屁でもないことで、最後のバーナムの言葉しかり、「最高の芸術は人を幸せにすること」なんだと、作品から溢れんばかりの激アツなメッセージに胸が熱くなった。

ベタだろう、ベッタベタだろう、だからこそ奥行きなんぞ不要で補完できるし、何を彼らが追い求め、なぜ欲したのか、そして本当に大切なものは何だったのか、なんてものはベタだからこそ普遍的で最も価値のある夢なのではないか。
本物の芸術ではなく批評家たちが背を向けた偽物のショーがサーカスとなり、そのサーカスを見て育った人たちが歴史に残る芸術と謳われるような映画を作ったっつー逆輸入的な史実がめちゃくちゃ素敵だ。

大音量、大画面で浴びた素晴らしいショー映画!もう一回くらいは劇場で見たい!サントラ欲しい!楽しかった!!!!
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