あっという間の105分間!!
煌びやかさ、テンポ、歌、全てにおいて圧倒的なTHE・ミュージカル。
ひたすらに楽しい。
歌唱力はキャストを聞いたときから安心していたけど、ここまでとは。
今までのミュージカル映画の中でもTOP2に食い込む(1位は言わずもがな)
物語部分が薄いというのは誰の目から見ても明々白々で、実際にあと30分使って人物を掘り下げたり細かいシーンをもっとしっかり描けば、スコアはもっと伸びただろうし「長い」なんて言う人は誰もいないだろう。
故にとても惜しくも思うが、展開や所々早送りしているようなダンスから見て取れるのは、スピード感をすごく意識していること。
さらには映画というよりも、本物のショーを見ているような感覚になること。
多くの登場人物の背景をあえて描かないことで余計な感情移入をする必要がない。
映画としてはマイナス点だが、人を楽しませることが目的のショーを観る上では利点。
だからこその、今作を観終わった後の感想は「楽しい」「ワクワク」「幸せ」であった。
ヒューはインタビューで「この時代だからこそ徹底的なミュージカルに挑戦したい」と言っていた。
実在したバーナムも、マイノリティーの人々を目的はなんであれ広く受け入れ、内側にある悲しみも抱えた上で、それでも「楽しい」という幸せを届けようとしたのだろう。
制作陣がそれを意図して作ったのなら、この時代にマイノリティーを敢えて見世物として扱うなんてそう出来ることではないし、表現不足を承知で敢えて歌と踊りで全て伝えようというプライドと情熱がすごく伝わってきた。
ヒューとマイケル・グレイシー、それから全制作陣の勇気に賞賛の拍手を。