一人ぽっちの夢は大勢を巻き込み“家族”の夢になった。
物語は至ってよくあるサクセスストーリー。山あり谷あり、成功あり失敗あり。最後はとっておきのハッピーエンド。
しかし、そのありきたりがあったとしても見応え抜群の演出。ミュージカル映画の中でもセリフが少なめな本作品。1度見た人、見てない人ですらサントラで映画の世界へ導かれる。歌だけではなくダンスも壮大。ヒュージャックマンの動きは長年の経験と身体作りが魅せるとても同じ世界に生きる人とは思えないキレの良さ。他のキャスト陣も難しい動きの多いダンスをいとも容易く当たり前の動きとして演じている。見るものが心地よく見れるほどその歌とダンスはストーリーの中では当たり前の存在。ミュージカル映画は時々ストーリーと歌、ダンスが分離して見えるものがある。それが苦手で見るまでに尻込みしてしまうこともあるが、今回の作品はそんな心配なかった。
グレイテストショー、その名の通り、見るものが目を輝かせ、息を飲み、笑う、感動の作品。オープニングからそれは正しくといった感じで歌に感動する。そして見終わる頃にはオープニングとエンディングが繋がって見えるとても魅力的な演出となっている。
感動作だが号泣作とは言い難いのはあくまでもこれは“笑顔を生む為に行きた男の話”だからだ。ラスト一文の名言はエンターテイナーや作品作りに関わる者の胸に強く残る響きがあった。
