スピードスター

グレイテスト・ショーマンのスピードスターのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
3.0
『レ・ミゼラブル』で圧倒的パフォーマンスを見せたヒュー・ジャックマン主演のミュージカルを、あのラ・ラ・ランド制作チームが手掛けると言う、観る前から涙が溢れる程のパワーワードの数々!

個人的に今年最大の期待作だったので、鼻歌&スキップと浮かれ気味で劇場へ!
そして待ちに待った瞬間が遂に来た!
IMAXの音と映像に包まれて最高の気分に!…………ならない………

登場人物の感情の機微をサササッと流し、ゴージャスでエモーショナルなショーで感動した気にさせる。(辛辣ですいません)
劇中にもありましたが、まさに手品みたいな作品でした。
いろんな要素が目まぐるしく過ぎていき、どこにも注目できず、誰にも感情移入できないままエンディング。

もちろん楽曲は最高でした。どの曲もキャッチーで生命力溢れる力強さ。
キャストの歌唱力にも圧倒されました。
それなのに感動できないもどかしさ。
そんな感受性の無い私も含めて『This is me』って事なのでしょうか(泣)

予告は好きでよく観ていたのにな〜。
予告を見過ぎて陥ってしまった「グレイテスト・ショーへようこそ♩」の決めゼリフから何故かBonJoviの「It's my life〜」に繋がる脳内ループ地獄。これが地味に辛かった(笑)

本編を観たので、この地獄からは脱出できそうです♩


追記 コレを書くのを忘れていました。

ジェニー・リンドが「Never Enough」を披露するシーン。バーナムに寄せる想いと共に「私こそが理解者」との自負を含んだジェニーの視線。その視線の意味を知ってか知らずか、ただただ彼女の歌唱力に驚愕するバーナム。そして妻チャリティがバーナムに向ける視線は今後を暗示してか不安げ。
更に、両親から向けられた蔑んだ視線で階級の違いを明白にするフィリップとアンの関係性。
登場人物それぞれの視線を軸に、様々な思いが交錯するあのシーンだけは抜群でした。実に勿体無い。