momo

グレイテスト・ショーマンのmomoのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
5.0
こんなに最初から最後まで"幸せ"に浸れる映画は初めて。

オープニングで「The Greatest Show」のイントロが流れ出した瞬間からもう胸の高鳴りがおさまらず、ヒュー・ジャックマンのセリフと共に始まる圧巻のショーに心を鷲掴みにされた。

予告が公開されたときから期待に期待を重ねて待ち焦がれてたこのミュージカル映画を今この瞬間目前にしていると思うと涙がボロボロ流れ落ち…。

事前に聴いたサントラの曲が華やかで美しい映像とキャスト陣の素晴らしいパフォーマンスで全く新しいものに生まれ変わっていて、予想を遥かに超える完成度だった。
ここまでの製作費、製作期間、何といっても完璧なパフォーマンスに至るまでの努力は計り知れないなと感じたし、この作品一つを作り上げるのに込められた何人もの熱意が伝わってきて、もう感無量。

心の奥底から沸き上がる感動とミュージカルシーンでの抑えきれない高揚感に終始浸り、まさに"幸せ"に満ちた至福のひとときを過ごした感覚。

ヒューを始めとするキャストたちの歌声、ダンスは目を見張るようなレベルの高さだし、それに加えパフォーマンス中の皆の生き生きとした表情、満面の笑顔に元気づけられた。
長い間練習に練習を積んだ努力の結晶がきらめく瞬間の連続。本当に素晴らしかった。
いつまででも、何度でも目に焼きつけたいと思った。

確かにストーリーに目を向けるとシンプル過ぎるかもしれない。
でも敢えてP.T.バーナムの陰の部分を描かず重い内容にしないことで、万人受けするハッピーなミュージカル映画になり、それを観て観客が心の底からワクワクし幸せになれる。
そしてここでハッと気づく。
この映画こそバーナムが成し遂げた"崇高な芸術"なんじゃないかと。
理屈ではなく感性で、自分の全感覚を研ぎ澄ませて楽しむ最高のエンターテイメント、それがこの『グレイテスト・ショーマン』でありバーナムが現世に伝えたかったもの。
だからこれはバーナムの生涯を辿る伝記映画というより、バーナムが自分の人生を通して伝えたかったメッセージを具現化した映画という感じがする。

本作のミュージカルシーンで特にお気に入りなのはバーナムがフィリップに交渉する「The Other Side」。
ザックとヒューがグラスや椅子、帽子を使ってリズムを刻むのが本当にスタイリッシュで惚れ惚れするし、ペースの速い語り口調がかっこよくて好き。
バーテンダーの俊敏な動きも見事だった。

そしてアンとフィリップがお互いを思う気持ちを伝え合う「Rewrite The Stars」も感動的。
相当なテクニックを要する空中ブランコを使ったパフォーマンスは圧巻だし、ロマンチックでとても魅了された。
ザックとゼンデイヤがほぼスタントなしでやったという渾身の魅せ場に誰もがうっとりしてしまうこと間違いなし。

歌詞と歌声が一番胸に響いたのは主題歌の「This Is Me」。
人間誰しもが輝ける居場所があること、ありのままの自分を大事にすること、この歌に込められた全てのメッセージに心が震えた。
力強いメッセージ性とパワフルなキアラ・セトルの歌声が相まって涙腺が崩壊。
全世界のマイノリティ、自分に自信が持てない人、居場所がない人、差別に遭う人がこの曲でどれだけ勇気づけられることか。
まさに本物の"歌の力"を目の当たりしたといえる、そんな最高な体験ができた。

全体を通して思ったのは、歌ってこんなにも無限のパワーと輝きを秘めてるものなんだということ。
この映画に携わった人全員の才能が本当に神がかっていることを実感したし、全編にわたって瞬きできないほど素敵なシーンが多過ぎて観れば観るほど好きになる。

今年これを越える映画はないんじゃないかというくらい傑作すぎる作品。
momo

momo