ノラネコの呑んで観るシネマ

グレイテスト・ショーマンのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
4.6
素晴らしいじゃないか。
承認欲求に突き動かされた、コンプレックスの塊の様なヒュー・ジャックマンが、社会の底辺のそのまた裏側に生きる異形の者たちを集めたサーカスを立ち上げ、大衆に大人気に。
単にどんな個性でも輝ける場所がある、という話ではない。
主人公は金をもうけて、上流階級に自らを認めさせたいだけだから、サーカス団員の個性は手段に過ぎない。
差別される主人公を描いているうちに、差別する彼自身の姿が顕在化するのは「ズートピア」を思わせる。
ザック・エフロンの恋がその構造を強化する。
メインプロットは、自らの出自へのコンプレックスからの解放。
周りの人々をそれぞれのコンプレックスから自由にした主人公自身が、実は囚われたままだったというよく出来た寓話だ。
まあ、ザ・定番の話だし、米国の批評がイマイチよくないのは理解できる。
劇中で評論家には嫌われているが、大衆には熱烈に支持されてるのが、現実とオーバーラップするのも面白い。
ミュージカルナンバーの出来は文句なしで、ドラマとのバランスもいい。
十分魅惑的な大衆娯楽映画だ。
ブログ記事:
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