カシ

グレイテスト・ショーマンのカシのネタバレレビュー・内容・結末

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます


・“フリークス”の人々にとってはまるで救われない(This Is Meで自力で立ち直るだけ)、バーナムさんのエゴが強すぎて目を背けたくなるシーン多々で非常にモヤッとしてしまった いつも隠れてた彼らに活躍する場を与えた、ということなのかもしれないけど、それにしても後半のバーナムさんの態度といい、随分酷い扱いだと思ってしまった
主演ヒュージャックマンだし、歌が良いだけに非常に残念だった

・私はもう大人バーナムさんが机の上の林檎と親指サムの本を見て「これだ!」って閃いた時点で、子供の頃に空腹の自分を助けてくれた存在のフリークスの方々をそんな扱い方する!?バーナムさんをそれで良いと考える主人公にしてしまうの!?って思ってしまって、そこから急激に冷めてしまった 最初の親指トムへの誘い文句も「金になる」だったし…まあそれが世の真理なのだろうけど…でも映画の世界、特に今回のような夢を売るタイプの映画(と期待されるもの)にとっては、しかもこれだけ多様性が叫ばれているこのご時世で、この脚本かい…という落胆は確かにあった 今までずっと迫害され隠れて生きてきたであろう彼らフリークスが二つ返事で快諾するとも思えないし…

・所詮仕立て屋の息子だとか、成金だとか、そうやってある意味フリークスたちと同様に差別されてきたバーナムさんが、成功した(本物の歌姫を手に入れた)途端にヒョイっと差別する側に立ってフリークスの人たちを「恥ずかしいもの」としてシャットダウンしてしまう、そしてその裏切りを特に苦労せず(奥様との確執はフリークスを差別するしないに関係ないですからね)フリークスの団員達が自力で立ち上がった懐の深さだけで解決してしまうのはちょっと脚本が易しすぎると思う

・見た人の評価が二分しているのは、自分が少しでも被差別側(いじめでも何でも)に立ったことがある人と、そうでない人の差でもあるのかなと思う

・しかし歌は本当に素晴らしいし、いつまでも耳に残るのでサントラだけをずっと聴いてる分には問題ないかなあと… 私個人的には評価の7割が楽曲に対するもので、脚本はちょっとごめんなさいというところ

・映画館での鑑賞中や自分でサントラを聴いて、その場で音楽やダンスを楽しむことはできても、映画本編鑑賞後に心に残るのはモヤッと感で、あまり感動や考えさせられることが残らない映画だと個人的には思いました

・欲を言えばレベッカファーガソンを「オペラ歌手」としたなら、もうちょっとそれらしい歌を歌わせて欲しかったです あの曲もすごい素敵なんだけどあまりにもポップだった、普通に「歌手」ならあれで大正解なのですが、これが「オペラ歌手」かあ…と思ってしまう
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