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グレイテスト・ショーマンのFilmojaのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
4.5
19世紀に活躍した興行師、P.T.バーナムの半生を描くミュージカル映画。
貧しい出身でいながら奇抜なアイデアと行動力で“地上最大のショー”を成功させるも、成り上がりのワンマン経営で、民衆の喝采を盗む金儲けのペテン師と揶揄され、挫折を味わい、それでも残された仲間との絆が感動的な一大エンターテイメント。

「ラ・ラ・ランド」の作曲チームが担当した歌と楽曲のクオリティーも抜群で、まさに音楽とショーのために作られた映画。冒頭のミュージカルシーンからハイライトと言っていいほどのテンションで、歌の妨げにならないように計算されたハイテンポなドラマ部分には若干の物足りなさを感じるものの、慣れてしまえば気にならない。

“想像から夢が生まれ、観客を惹きつける、幸福感を与える創造的なショー”というテーマが一貫していて、全編にポジティブで肯定的な空気が流れる演出は、人によっては偽善的に思えるかも知れないけれど、このミュージカルにドロドロした悲観的な展開はそぐわない。

キャストのパフォーマンスも出色で、「レ・ミゼラブル」で見せたヒュー・ジャックマンの貫禄ぶりは健在だし、脇を彩る豪華な俳優陣の演技にも目を見張る。

社会から外れ、人々から無視され、虐げられてきた者たちによる劇団で、それぞれが個性的で魅力的な団員たちが、自信を持ってショーで輝く姿に胸が熱くなる。
当時の階級意識、人種、性別、障がいなどを乗り越え、まるごと受け入れようという懐の深さに勇気づけられる。

何かと排他的な風潮の今、この時代にこそふさわしい、マイノリティへの人間讃歌。