ニトー

グレイテスト・ショーマンのニトーのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
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実在のショーマンでありバーナム効果のp.t.バーナムをモチーフにしたミュージカル映画。

 導入を派手なミュージカルシーンで引き付ける手法は「ラ・ラ・ランド」でもやっていましたが、今回はまあ色々な制約もあったのでしょうがカットをかなり割るので「ラ~」ほどの上がりっぷりはないのがちょっと残念といえば残念か。あれのレベルを毎度毎度期待するのがそもそもアレなのですが。ある意味で功罪とも言えるのかしら、これは。
とはいえ、歌はどれも素晴らしいし、演出もかなり計算されて工夫も凝らされている。チャリティとバーナムが結婚に至るまでの一連の流れ。特にバストアップでダンスを撮っていたカメラが引いていくとチャリティのお腹が膨れているのとか、そういううまい繋ぎ方が結構あった気がする。

でも、せっかくフリークショウなんだから可愛い女の子のアン・ウィーラーをフィーチャーするより大男とか双子とか、それこそ大佐にもっとスポット当ててもいいと思うんだけどねー。そういう意味では髭女とカーライルをくっつけるのが良かったようなきもするが、ダメなのですか。
いや、わたくしもアン・ウィーラーを演じるゼンデイヤ(どっかで見た顔だと思ったらトムホのスパイディに出てましたね)には魅了されましたがね。カーライルとのロープアクションもといワルツ的空間はもすごい良かったし、ここだけ抜き取れば文句ないんだけれど。結局、ほかのフリークたちにほとんどスポット当たらないのがねー。
ミュージカルシーンの双子のダンスとか、かなりアクロバットなことしてるんだけど、どうしても大勢の中で埋もれてしまいがちだったりするし、そもそもキャラクターとしては造形されないし。

本当に正直に言ってしまえば、個人的に一番の収穫はレベッカ・ファーガソンですた。「ローグ・ネイション」での二重スパイ役が光っていましたが、まさかこんなに歌が上手いとは思わなんだ・・・と思ったら歌は別人というオチ。
まあ彼女の歌唱シーンで一番鳥肌立ったのは歌だけでなく彼女の演技も貢献してるわけだし、セーフでしょう。特に最後の公演における同じ「ネバーイナフ」の歌い方の違いとかもねー。これって劇中バージョンはサントラに入ってるのかなー。

そんなわけで、普通に見る分にはフッツーに楽しめる。
しかし、やっぱりミュージカル映画は割と苦手なジャンルかもしれない。どうにも歌と踊りでケムに巻かれている感覚になってしまう。だから、あまり何度も観に行く気にはならないかしらしらしら。

あとは文化的な違いというか、親指トムの話って日本人にどれくらい馴染みがあるのだろうか。ギリギリ名前で察せられないこともないけど、親指トムの話を知っていないと微妙に分かりづらくないかなーとか思ったり。
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