このレビューはネタバレを含みます
こんなにうまいと思わなかった。ヒュー・ジャックマンの役の幅がすごい。
X-MENのウルヴァリンから何本も、何個の役も見事にこなしているが今回は圧巻。すごい。
もともとミュージカル畑の人だったのかもしれないがX- MENでスポットを浴びた人というイメージが強かったからびっくりした。この映画の撮影は、何というのか1本撮り？ワンショット？1回で撮るシーンがたくさんあったと思うので技術的にかなり高度なことを要求されたのではないか？見事に演じてる。
撮影もスローで見せたり、止めて見せたり、見ていて本当に面白いと思った。
とか、まぁ、いくら素人が言っても所詮は素人なので……
ミュージカルなのかと少し構えたのだが、単純に面白い。かなり強引にオープニングから始まるかと思った。だけど、自分の好きな映画にあるオープニングの面白さ、と音楽の良さが心をつかむ。この作品は音楽というか、メロディーよりも歌詞(この場合翻訳になるのか？)がとても良かった。THIS IS MEとかとても良い。
これから始まるエンターテイメントのオープニングを見せられて、見てる自分もワクワクしてしまう感じ。観客席も興奮してるだろう様子から、一変。
過去の自分に戻り、自分と後に結婚する事になるチャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)の幼少期から結婚、娘が生まれて5〜6年後、失業するところまでが一気に進む。階級や、差別、貧富の差が激しかった時代で、家族を持っだが裕福な家庭には程遠い生活を送っていることを不幸せだと考える自分。幸せにする事が出来ないと悩む男の苦悩。(しかも奥さんは名家の出身)。
それでもボロボロのアパートの屋上で娘の誕生日に家族それぞれに夢を聞くバナーム。(シーツに明かりと影がぐるぐる回って写るシーンが印象的。)今で十分幸せだと奥さんに言われる。火がついたのだろう。何かをやるべき時がきたのだ。博物館を買って経営するのだが、イマイチ客が集まらない。そんな時に娘の意見。生きた人を見せるべきよ。と。
サーカス？(この時は、何というかフリークスを集めた？見世物小屋的な感じ？表現が誤解を生むかもしれないが……)人は奇妙なものを見たがる。という心理をついてショーを始める。ここまでの展開が非常に早くあっと言う間に物語は進むの。だが、様々なことで人前から隠れるようにして生きてきた人達を表に出して、悩み苦しんで生きてきた事を解放してあげる事で劇団の人達とも強い絆を作っていったバナーム。そんなバナームの劇団は話題になり徐々に客が増えいつの間にか大盛況に。
興行的にも起動に乗って裕福になっても世間や社交界からは、認めてもらえず、やはり異端児扱いされていた時に出会うフィリップ(ザック・エフロン)を自分の劇団に誘う事に。
まぁ、このバーでのヒュー・ジャックマンとザック・エフロンのやりとりが最高。待て待て待て、もう一回！！って思うぐらいの速さ、いろんなアングルでの撮影。歌もとてもうまい。唸った。すごい。
フィリップが空中ブランコの女に惚れた事もあり、話はいい方向に進んでいく。
エリザベス女王の謁見のチャンスを掴み、いざ全員でイギリスに。エリザベス女王に、ウケた事でその後の晩餐会？でホッとしている時に出会うオペラ歌手のリンド(レベッカ・ファーガソン)に出会う。アメリカでの興行を持ちかける。自分は、人を騙して満足させているが、本物で満足させてみたいと口説きおとす。アメリカでの始めての公演。歌も歌詞もとても良い。内容が悲しくて切ない。どんなスポットライトも自分を満足させることはできないのだと悲しく歌う。
自分の中で、ここぐらいでアメリカの役者の層の厚さに心を掴まれた。(スゲーデスネ、アメリカ)
本物がひしめくハリウッド、ブロードウェイ。スケールがデカいなぁと再認識する。
本業？のサーカスよりもリンドの公演での成功で少し自分を見失いつつあったバナーム。ハッと我に返って公演に同行するのはここまでとリンドに伝える。バナームに何があったのだろうかとちょっと理解できなかった。自分的には、リンドが好意を超えて愛情になってる気持ちに距離を置いたのかと理解している。そこははっきりしないが別れのキスを最後にリンドはその先の公演をやめる事に。それが女の怖いとこやなぁ……と思う僕。
返って来た夜に自分の劇場が火事になり、全焼してしまう。妻のチャリティとも別れのキスが原因で別居状態に。
一人でバーで飲んでいるところに劇団のメンバーが集まって、再び再開しようと一致団結。
原点に戻り再出発するバナーム。
全てがハッピーエンドで、最後も新しくなったサーカスの全員で歌って踊ってで終わる。
最後は、フィリップに自分の役を任せるバナーム。像に乗って娘の発表会に行くバナーム。
家族もみんなハッピーエンド。
どうですか！すごいでしょ！バーン！みたいなエンディング。
スッキリ終われた。
どえらいエンターテイメントを見せられた。
この映画を絶対映画館で見てほうが良いと進めてくれた方に感謝したい。
