たま

グレイテスト・ショーマンのたまのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
3.5
ベンジ・パセックとジャスティン・ポール、彼らの楽曲を盤石の役者陣が歌いあげ、ようやく胸のすく思いをしました。個人的に、ですが、「ラ・ラ・ランド」が人生の二本指に入る嫌い映画だったので(え、もう1本ですか?「セッション」です!)、昨年の楽曲賞受賞はまったく腑に落ちていません。今作もこれがミュージカル映画かと問われると、私はそうではないと思う、と答えますが、楽曲と歌唱と演出の素晴らしさは文句なしです。これは盛大なMVと受け取りました。

キャラクターおよびストーリーをギリギリのところまで削ってアウトラインだけかろうじて残した今作は、感情が歌唱となって発露するミュージカルとしては落第点。“This is Me"がどれほど素晴らしい曲であっても、あの場面で全員であんな力一杯歌われても、バーナムの気持ちが離れてしまったことを知った彼らがどれほど悲しみ、絶望し、なにを糧に乗り越えて"This is Me"と歌いあげているのかさっぱりわからない(笑)。曲と画の力だけで十分泣けましたが、実はアカデミー賞でのパフォーマンスの方が、あの場であの歌を歌う意味と意義がダイレクトに伝わってきて、劇中の何倍も泣けたのはそーゆーとこかと。笑顔を売る詐欺師バーナムの半生を1.5hで表すには、お涙頂戴もののヒューマンドラマにするより歌唱にステータス全振りしたこのスタイルは正解だと思いますけども。

ザック・エフロンは世界一の二番手役者と思っていて、今回も絶妙な二番手っぷりでした。だいぶ太ましくなって最初え?誰?みた顔だけど?てなって声聞いてわかったという...。
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