アメリカでは、批評家から酷評されるも観客にはウケて大ヒットしているらしく、まさに映画の中のサーカスそのもの。
実際のバーナムさんはなかなかブッ飛んだ人間だったらしく、客が喜ぶならなんでもするスタンスで色々問題のあった人物らしい。スティーブジョブズとかウォルトディズニーみたいな"人としてはクズだけど誰も真似できないことをする天才"系の偉人だったよう。
この映画は、そんなP.T.バーナムという人間をすごくリスペクトした映画になっていたと思う。
キャッチーな曲とキレッキレのダンスで観客を飽きさせず、少々の描写不足はシカトして100分ちょいを駆け抜ける。この映画そのものを1つのショーして観て欲しいという意図。
確かに、差別されて生きてきた団員達のドラマは薄いし、バーナム本人が差別をするシーンがありながらそれを清算するシーンがなかったりと、"この時代にそこそんな触れずに進めちゃうのか問題"が出るのはわかる。
でも、そういう否定的な意見が出るのはおそらく製作側もわかっていて"あえて"やっているのではないか。
中途半端に触れて上映時間が長引くよりは、「This Is Me」に全て乗っけてしまおうと。
全ては観客に楽しんでもらうために。
実際、ヒュージャックマンやザックエフロン、ゼンダイヤを中心とした役者達のスキルは半端ではなく、サントラの素晴らしさと相まって完全に映画の次元を1つ2つ上げているので、こっちに振り切って正解だと思う。
これは絶対に映画館で観るべき映画で、特に「The Greatest Show」「Never Enough」「This Is Me」の3曲は腹にくるというか、とにかく圧倒されるので映画館で是非。映画館へ行け!