なると

グレイテスト・ショーマンのなるとのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
1.5
正直言って全く好きになれない映画。久しぶりにこんなにイライラする作品を観た。

最初のサーカスシーンはこれ以上ないくらいミュージカル映画のワクワク感が詰まってて(この映画はきっと最高だぞ…)ってなったけど、映画が進行していくにごとにどんどんそのテンションが下がっていく。

何がそんなにイライラさせたのかというと、ストーリーとその根底にあるテーマ性。

この映画、差別とか家族、お金とかとか色々なテーマにちょこちょこと手を出すんだけど、そのいずれに対しても物語の中で真摯に向き合うことが全くない。その代わりに随所に挟まれるミュージカルの中で歌によってそれを乗り切るという造りになっている。

それ自体は全然いい。その歌にそんな葛藤を乗り切ろうという意思が見えるのであればね…

でも、この映画はそんな面倒くさいことはしない。基本的に耳ざわりの良さそうなことを歌詞に乗せて、あとは雰囲気で(ならばよし!)みたいな乗り切り方をする。
フリークたちは(サーカス仲間がいる、ならばよし!)って感じで市民のアンチをボコる始末。

ならばよくねーよ。

テーマに対する回答をそもそも物語の中で答える気もない上に、ミュージカルの中でも耳ざわりよく適当に無視する。

最初から自分で自分に与えたテーマなのにね。

こんな感じで、七面倒臭いけど真摯に向き合ってこそ映画に厚みがでるこういった葛藤にそもそも取り組む気がないから、やけに沢山ある幕も薄っぺらくてただ104分を埋めるための欠片に過ぎないように思えてくる。

あ、最初の二幕でお腹いっぱいっす。どうせ次も同じ感じですよね?

あと、ストーリーが薄いとキャラも薄い。何なら、幕を経る毎に特段映画の中に関わってこないキャラがワラワラと出てくるほど。

「大丈夫だよ、バーナム。仲間だろ?」みたいな雰囲気でいるお前、今のシーンで初めて見たからな?

誰だよ…

何というか、良く分からんキャラが突如として物知り顔で登場し始める異常事態が当然のように行なわれていたり、全体的に見ても、この映画はかなり歪な構造に思える。

まず、そもそもストーリーで魅せる気はなくて、ミュージカルの快感だけで魅せる気でいる。

歌詞も嫌味なほど耳ざわりいいしね。

しかも、ミュージカルで乗れなかったら(難しく考えるなよ。ただのショーだろ?)みたいな感じできっと諭してくる。

うるせえ!!

内容の薄さにどれだけ辟易しても耳障りの良い猫なで声でゴマすってくる感じが、いかにも詐欺師っぽい。というかバーナムっぽい。

つまり、僕がいいたいのは

この作品、映画型MVであると同時に、詐欺師とはどういうものか、バーナムとはどういう人物かを、映画自身が身をもって教えてくれる大傑作です!!!


そもそも、曲がそんな好きじゃない