滝和也

グレイテスト・ショーマンの滝和也のレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
4.5
心に傷を負わされしもの
その傷は心の穴となり
心満たすこと叶わず。

その穴を塞ぐものは…。

絶賛です(^^)

「グレイテスト・ショーマン」

ミュージカル本来の歌の力、ダンスの力をシンプルなストーリーで徹底して魅せてくる王道を行く作品でした。そのテンポの良さは2時間の映画とはとても思えない。時間を忘れて見入る、聞き入ることができました。

そのスコアは素晴らしいの一語に尽きます。This is meに代表される、その楽曲自体のパワフルさ、バワーワードに溢れた歌詞、そしてダンス。思わず涙してしまいました。

古典的なミュージカルでありながら、最近流行の(余り流行してほしくはないのですが)差別、不寛容と言う題材も根底に敷いています。主人公バーナムは親の貧困故、育ちの悪さや成り上がり物のレッテルを。サーカスの団員たちは、その特異な容姿、そして肌の色を。

以下ネタバレしますのでご容赦を。

バーナム自身、上流社会に差別され、貧困故に結婚を祝福されず、心に大きな傷、穴を背負っています。この心の穴はいくら成功しても、不安で満たされないはずです。それ故、より大きな成功を求めて周りが見えなくなる…。その姿に共感できるのは、同じような経験があるからでしょうか。もちろん差別や不寛容はなくなってはいませんし。

それ故、普通の人である彼のキャラクターが何故か染みます。確かにエグみのあるシーンもありますよね。ただ彼の一身は家族の幸せです。愛するもののため、突き進む。それが原点であり、彼の心の穴を唯一塞ぐものです。そしてラスト近く、その家族に心ひろき仲間たちが加わり、全てに彼は気付きます。そのラスト近くのシーンも素晴らしい。

また中盤エグみのあるシーンですが、This is meのかかるあの場面は歌詞と演技が怒涛のバワーをもって迫り、涙を誘いました。

ザックとゼンデイヤの舞台での綱を使ったシーン、レベッカの独唱、ザックとジャックマンの出会いのシーン、どのシーンも、その全ての歌唱、ダンスが素晴らしい。

ヒュー・ジャックマンはレ・ミゼラブルでその上手さはわかっていましたが、素晴らしいミュージカルスターです。踊りはミュージカル全盛期のスターには及ばないものの、声、存在感は正にそれでした。

女性ではミシェル、レベッカの大物よりも新星ゼンデイヤに注目ですね。その表情により、全く印象が変わる。化粧もありますが(笑) 素敵な役でした。

決して全てが深い作品ではありませんが、その大事にしている点は外していないし、シンプルで実話ベースからよりミュージカル映えする内容にされており、画面に、音に、目も耳も釘付けにされる作品でした。

やっぱりミュージカルは良いなぁ。劇場で見てたら、ぐしょ泣きで恥ずかしかったろうなぁ…。