停滞

ネオン・デーモンの停滞のレビュー・感想・評価

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)
3.9
2回目@早稲田松竹
劇場で観れるから観ちゃった。最初のは絵画が元になってるみたいですね。特にあの逆三角形×3がよくわからないんですけど、部屋に山猫が出てくるあたりは、彼女の中に獣のような野心が芽生えたことのメタファーになっていていいですねぇ。それが赤くなって覚醒みたいな。そして内側から破壊する。弱肉強食という言葉が想起される。
ふと思ったのは、ルビーがいる屋敷の造りというか階段、プールサイド、あれ「理由なき反抗」に似てる気がしたんですよね。雑に言えば車で丘の上にくるのも共通している。オマージュかな。
セリフが少なく、映像とBGMがしっかりしていて見惚れる、見入っちゃう。明滅するショーは夢の世界に誘われて、次のカットで静かに戻されるあの感覚がたまらない。

1回目
これは映画館で観て正解でした。映像と音による衝撃体験、現代アートのような側面すら感じてしまう。アーティスティックエンターテインメント。

というように、映像の美しさ(色彩と光)が際立ってて、絵画を並べて、それをストーリーに、そんで、音を使ってエンターテインメントに仕立て上げた。その音がメロディみたいのに不安とドキドキを煽るような音が重ねられてて、引き込まれちゃった。まぁいろんな音使ってたけど。

内容は、モデルの嫉妬などでデーモンが誕生すると言えば、そうなんだけど、映画として言いたいことは、(反面教師的だけど)ディーンが言っていたことなんじゃないかと思いました。
この状況は、戦争と同じように感じて、相手を植民地にだとか、従わないなら消すだとか、そうじゃなく和解をする、武力行使でなくお互いの妥協点を探るようなことが必要みたいな。その和解だとか相互理解が内面性だろ、みたいな。
その内面性が欠けた中でみんな競争して、最後があの結末ということなので。

いやぁ精神的に疲れる映画でした。
停滞

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