ずけし67

ネオン・デーモンのずけし67のレビュー・感想・評価

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)
3.4
ドゥッ!...ドゥッドゥッ!..ドゥッ!ってビートの効いた音楽と、鮮やかなネオンのようなオープニングクレジット、からの... いきなりギョッ!っとするような姿で横たわる女性のカットで幕を開けるというね。

キタキターーーっ、これはイケる!と期待が膨らみましたが、終わってみると、良くも悪くも終始そんな感じで、ストーリーよりまずアートって感じの作品でして、そして大好きな「ドライヴ」(← 溺愛してますw)のニコラス・ウィンディング・レフン監督作品ということも手伝って、ちょっとハードル上げすぎちゃったかな?ってのが率直な感想です。


片田舎からロサンゼルスへ上京して来た16歳のジェシー(エル・ファニング ← ダコタ・ファニングの妹さんだったのね。姉妹そろって まあカワユイ♡)は、モデルとしてみるみる頭角を現していく。
ジェシーが現れたことで、今まで座っていた椅子を取られる事になる先輩モデルからの激しい嫉妬や、世代交代、美への強烈な執着が、予想だにしない恐ろしい事態を招くことに...


「ドライヴ」でも際立っていたメリハリの効いた映像美、これって実はレフン監督は中間色が見えにくい「色覚障害」を持っていて、だからコントラストの強い色味の描写になっているらしいのですが、本作はファッション業界が舞台ということも手伝ってか、それがさらに強調されているように感じました。

特に赤と青を基調とした色使いがまあ鮮やかなこと♡。
ファッションショーでの強く放たれる赤と青のライトや、クラブでのストロボ越しのショーは、何か別世界に引き込まれたような感覚に陥りましたし、鏡ごしに映る女性の描写が多く、これがまた美しくてとってもアートでございました。

そんなうっとりするような描写が次から次へと続く一方で、それがいかんせん意味が分からない描写ばかりでして(汗、そのせいでちょっとストーリーが置いてけぼり食ってるように感じたっぽい。

話の大筋は分かるんですけどね、ええ。
" モデル業界あるある " 的な要素を背景に、スリリングかつショッキングな展開、結末へ向かってるっぽい、というのは分かるんですよ。

ちなみに終盤にかけてはショッキングを通り越してホラーの領域まで行っちゃってまして、このホラーな部分は、そっち系好きな僕にとっては「ぅおっほう、そんなとこまで行っちゃいます?」的な異常っぷりで楽しめました。

ただ全体的に、何かの象徴なのか、何かしらの形・造形をこれ見よがしに印象付けようとするような描写や、あのキャラのあの行動は一体何だったの?みたいな描写が多々あって、そこいらをどう受け取って良いのかが分からず、何とも不可解、消化不良になってしまったっぽい。

例えるなら、モダンアート美術展とかに行って、何やらとってもアートでオシャレな気分は味わったものの、でも結局アートの意味はよく分からずじまい、何かそんな感じの映画でありました。


ああ、あとキアヌ・リーヴスがちょい役で出演してるんですが...
...この役にキアヌ、いる?
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