きぬきぬ

ネオン・デーモンのきぬきぬのレビュー・感想・評価

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)
3.3
レフンの抽象的観念的な描写って、ちょっと困るのだけど(苦笑)今作、ほんとライティングが一部「サスペリア」的。
田舎町から出て来た純粋な16歳の美少女が3人の魔女の餌食となったと考えても良いのだろうな。
ベラ・ヒースコートやアビー・リーのキャスティングからしても、メイクの使用でエル・ファニングに近づけることが出来る。整形などの人工で無い自然な美を放つジェシー役のエル・ファニングのキャスティングも解る気がする。性的に肉体的にジェシーの美を得ようとする女たちの嫉妬と愛憎と魔的な忌まわしさ。しかしモデルである女たちに求められるのはマネキン的な美であり、虚無しかない。おそらく初々しく挑むような様子を見せるジェシーとは違うのだ。
しかし虚偽の世界の中でジェシーが消えたところで、まだ誰も気にもとめない存在であろう。闇の世界に足を踏み入れ、狂った月夜の生贄とされたかのように跡形も無く消えてしまう。ヴィジュアルは部分的に好きだけど、う~む虚無感しか残らない。

レフン作品としては暴力描写は生易しい方だと思うよ(苦笑)
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