うめ

ネオン・デーモンのうめのレビュー・感想・評価

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)
3.3
「美」という絶対的な、価値基準のないもの。
しかし、見たものの目を釘付けにし視線を放さない圧倒的な存在はあると思う。
そんな「美」に純粋に憧れるあまり囚われる女性達。
追い求めるがゆえに気づいてしまう。
自分ではどうにもならない領域があることに。
そして、その領域に立つ人間が放つ光が眩しいほどに作る影もまたより濃く暗く深い闇になっていくのだ。
果たして、デーモンは光輝くその人なのか?作り出される闇なのか?

ぶつかり合うエゴと野心。
そんな狂気を映像と音楽が引き立てる。

モデルとして、ファッション界に足を踏み入れるジェシー。
その瞬間、もう後戻りは許されない。
そう暗示させるようなオープニング。
その後もインパクトのあるメイクとファッションが私としては楽しかったです。

そんなジェシーを演じるのは、可憐なイメージが強いエル・ファニング。
彼女の持つ微かなイモっぽさ。
田舎から出てきてモデルを目指すという役にフィットしてます。
それが、内に秘める繊細さを持ちながらも奥に隠す心に正直になっていく。
大胆さと儚さ。
一つ、幅を広げた感がありますね。



………でも、正直言ってツボに入るまでには至らなかった。
分かりやすい形ではあったけど…私が想像した狂気とは違っていたかな。
エンドロールもしっくりこなかったし。
残念ながら、私の感性では捉えきれませんでした( ;∀;)
うめ

うめ