まのん

ネオン・デーモンのまのんのレビュー・感想・評価

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)
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やっと観られた!と同時になんでもっと早く観なかったんだろう!ってすごく後悔してます(笑)

賛否両論なのはわかる。でも私、これ、とてつもなく好き……
ライティングが美しく、色覚障害のレフン監督の独特な色彩が元々好き、というだけではなくて。
もちろんそれだけでもお気に入りになるぐらいすごく好みではあるのだけれど。
綺麗なお姉さん大好きというだけじゃこの映画は観きれないですね…
特徴のあるシンボルや衝撃的なビジュアルは確かに出てくるけど、ポスターやティーザーで見える感じのアート映画の枠でもないです。


散々バイオレンスな映画観ておきながら(笑)私はHSPなので見た目や音に痛みを伴う感覚が強いのですが、この映画は一見グロいようで、グロテスクな描写はかなりファンタジーだったと思う。


何故ここまで私がこの映画が好きって思ったのかは、恐らく私がアイデンティティを確立する自己形成期(今もだけど)をずっと女社会の中で過ごし、且つ、めちゃくちゃ揉まれてきたからだと思います。青年期は13歳〜20代前半、私はまだその中にいますが、この時期にはもうずっと女だらけのど真ん中で過ごしてました。
モデル業界ではないし、なので流血沙汰はなかったけど(笑)、女同士のドロドロって大小あれどこういうもんだと思う……
このお話みたいに、その嫉妬が(存在意義的な意味で)生死に関わるわけではなければ、文字通り取って食われる(笑)みたいなことはないけど!


一時期、私の根も葉もない100%嘘の情報をリークしまくっていじめてきた子から、少し環境が変わった後に話しかけられた時の一言が
「どうして自殺しなかったの?」
でした。今思うと状況的には取って食われそうになってたのかも(笑)あれは16歳、ジェシーと同い年だった……私は身体を取って食われなかった代わりに精神を蝕まれたので、結果的には一時的に食べられてしまったのかも。

女のそういうスイッチってどこで入るかわからない。そういう意味でネオンデーモンに出てくる女の子達はは、むしろすごいわかりやすくて純粋に見えてしまいました(笑)
自分の場所を取られた、しかも苦労せずありのままであっさり自分より上にいった、さらに本人は純粋なまま(目つきが変わる場面がありますが、結局ああなったあたり、まだ彼女の中には田舎育ちの、屋根に登って月と会話しながら寝落ちする少女が残っていたと思う)。圧倒的な敗北を見せつけられて嫉妬にかられる。
もちろんその感情に身を任せてはダメだけど、若さもそれに拍車をかけてしまったのかな。そう思うと、この物語のモデルの彼女たちの中にあったのはただ純粋なジェラシーだったなーと。
そして、ルビーは純粋に彼女が欲しかった、そこに性癖が絡まってしまった。

女達が剥き出しになればこういうもんなんじゃないかなーと思います。(何度も言いますが、このお話に出てくるような物理的な意味ではありません笑)
もちろん、性格や欲望は人の数だけ違うので女が恐ろしいと言いたい訳ではなく。
私はこんな欲望全くありませんが、ある程度実在することは理解できてしまいます。

経験は人それぞれなので、女の人でもこの感覚を経験したことがない人は山ほどいると思うけど、
男の人でこの映画がすっごい好き!って思った人がこのお話をどう観たのかお話ししてみたい(笑)周りには居なさそう…(笑)



最後にキャスト陣メモ。
エルファニングは、所謂美人顔ではないし、個人的好みとも違うんだけど、絶妙なバランス…本人はオーラも相まって美しく見えるけど、エルファニング似、ってなると微妙みたいなタイプのやつ…(伝わらない)。演出と撮り方が素晴らしかったとも言えるけど、周りのパーフェクト美女達が本当に霞んで見えるように出来上がってました。この役は彼女以外考えられない!
あと、ルビー役のカールはノクターナルアニマルズの彼女!(公開順的には逆ですが笑)ノクターナル〜でも素敵だなーと思ったけど、これ観て一気にファンになりました!これからどんな作品に出るのか、とっても楽しみです!!!
あとデザイナーの人、どこかで見たことあると思ったら私の中ではマンスフィールド・パークの人でした…ジュラシックパークにも出演されている俳優さんだったんですね!
それから、アビー・リー・カーショウやベラ・ヒースコートのお人形感がすごかったです…モデルって本当に造形が違いますよね…生でショー見た時に受ける毎度のショックは慣れない(笑)



また観て思ったことあったら更新します
まのん

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