horahuki

クラウンのhorahukiのレビュー・感想・評価

クラウン(2014年製作の映画)
3.7
不動産業の主人公が売家の中で偶然見つけたピエロの衣装。それが脱げなくなり、主人公がだんだんと悪魔へと変貌していく話。

息子の誕生日、頼んでおいた出張ピエロが手違いで来れなくなり、その代わりに主人公がピエロに扮して息子を喜ばせます。微笑ましいシーンなのですが、衣装が脱げないという異変に気付く。主人公はピエロのまま生活を続けますが、当然、周りの人にはバカにされ、まともに話を聞いてもらえない。さらには異常者扱いされ、家も出て行かざるを得なくなってしまう…。

主人公が悪魔へと変貌していく過程が丁寧で良かったです。何か悪いことをしたわけでも無いのに、衣装が脱げなくなることで、周りから変な目で見られ、追い詰められていく主人公。いきなり変わるのではなく、体に異変が出始め、徐々に変わっていく。心も少しずつ変わっていくのですが、人間としての自我が長く残っており、子供を食べる悪魔としての本能と人間でありたいと葛藤する様子が描かれています。息子を思うがためにした行動により、悪魔に憑かれ、抗うことができない変貌の理不尽さ。

そして奥さんは、息子を守り夫を元に戻しもう一度幸せな家庭を取り戻すために行動します。この奥さんの行動が何とも言えなく悲しい…。

ホラー描写も良いシーンが多かったように思います。特にゲーセンでの演出が良かったですね。襲われるのが子供というのも恐怖感を煽ります。評価は低いようですが、私は良い作品だと思いました。
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