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クラウンのKIのレビュー・感想・評価

クラウン(2014年製作の映画)
3.3
ピエロよりもピエロの衣装が怖いと思った作品。

「トムホ版スパイダーマン」や「コップカー」で監督を務めるジョン・ワッツの監督デビュー作品。イーライ・ロス製作と銘打ったフェイク予告が本人の目に留まり自身が製作することに。

子供のパースデーパーティのためピエロの衣装を着たら脱げなくなる。衣装が脱げないから無理矢理剥がそうとするが剥がれない。電鋸で剥がそうとするとこは見ていて痛々しい。
次第に精神といか、動物的本能までもが蝕まれていく。お腹空いちゃって子供食べないと満たされないとか、絶望しかない。脚本の意地が悪い。

ピエロになった男の奥さんがゲームセンターに入ってきたときの演出。
子供たちがTVゲーム中やアスレチックで遊んでる時に殺人ピエロに襲われる。外のざわめきから隔離された静まり返るアスレチックのトンネル。明暗の急転。
息子を生贄にせざるを得ない母親がゲームセンター外に出た時、息子の代わりを探す駐車場やその後の車中は"大人の怖さ"を描く。
これらからスパイダーマンHCのパーティを彷彿とさせられ、ジョン・ワッツの演出の原点が伺えた。この監督に益々興味が湧きました。

エンディング曲の明るさも意地が悪い。
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