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群青色の、とおり道のペンのレビュー・感想・評価

群青色の、とおり道(2015年製作の映画)
5.0
群馬県太田市を舞台に、夢半ばで10年振りに帰郷した売れないミュージシャンの青年とその家族、友人たちの物語。

どこにでもいる青年、どこにでもいる家族、ごく普通の田舎町。観る誰もが自分の経験、自分の故郷と重なる部分があるはずだ。
特に大きな事件は起きないが、家族愛、友情、恋愛…人と人との心のつながりを描き、温かな気持ちにさせてくれる。

主演の桐山漣が素晴らしい。仮面ライダー出身の正統派のイケメンだが、一切それを感じさせず、ごく普通の青年を見事に演じきった。28歳にして定職に就かず、結婚したり仕事をしている友人たちに引け目を感じている心情が表情や仕草など細かい演技からよく伝わってくる。

クライマックスの桐山の弾き語りは必見。桐山の歌声から主人公の気持ちが痛いほど伝わってくる名シーンだ。涙が止まらなかった。

私にとって生涯大切にしたい作品の1本だ。
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