Shoty

ヒトラー、あるいはドイツ映画のShotyのレビュー・感想・評価

3.8
演劇のようなスタイルで演説やナレーション 朗読 ヒトラー本人の録音 エピソードで進んでいく。映像に直接的な迫力はないが、言葉で意志表示してくる。
人形もセットも常に暗い。

第1部 社会主義 共産主義への敵視 第三帝国こそ理想 アーリア人は優越民族等 当時のドイツ思想が演説などで語られる。

第2部 ヒトラーの元に従っていた男が、ヒトラーの様子 人となりこを語る。1部とは対照的に人間的な部分

第3部 ヒトラーと近い人物たちの考え 心境が語られる。側近もヒトラー同様 自分の理想 思想を持ち、しかし当時の世界観の中で生きていたのがわかる。

第4部 ヒトラーがつくり、残したもの それを受け継いだものはいるのか、誰なのか。
ソ連の管理社会、情報操作など。

僕に印象的だったのは第3部だ。
側近だけでなく国民もゲルマン民族の世界を確立しようという大きな目的の枠の中に巻き込まれ、その目的の達成のために 様々な決断、決断が生み出す悲惨な現実を乗り越えなければならない その中でそれぞれ自分はこの枠の中の一部だと思いこみ、納得しないと生きていけない。ユダヤ人の虐殺におぞましさを感じても、個人は民族全体のことを考え 枠の中で必要な犠牲だと考えなくては生き延びられない。

ヒトラーの存在はこういう状況を作り出せる程に大きかった

僕はちょっとずつ見たけれど
4部 全部見ると めちゃくちゃに長いし続けて見るのは難しいので 第3部だけでもいいかもしれない。
Shoty

Shoty