Nella

トリプル9 裏切りのコードのNellaのレビュー・感想・評価

トリプル9 裏切りのコード(2015年製作の映画)
4.5
アーロン・ポールとノーマン・リーダスが兄弟なんて当然それ目当てで観るでしょう、しかも「欲望のバージニア」のジョン・ヒルコート監督。他のキャストも豪華だし。
しかし物語らしい物語がほとんどないのに、いい男達だけで何となくいい雰囲気をここまで作っちゃうのは凄くないか?(推しが大量出演という贔屓目はあるが)なんか、ジェイムズ・エルロイとかが原作なのかな?と一瞬思っちゃったし。何より自分的には全くノーマークだったケイシー・アフレックがめちゃくちゃキュートで、こんな繊細な演技するんだと驚いた。ホアキン・フェニックスと組んでお騒がせ俳優のイメージしかなかったので…。
ぶっちゃけると、男達が各々の事情ゆえにのっぴきならない関係を拗らせていき仕舞いには殺し合う、という海外ハードボイルドの様式美をなぞっただけのような感じもする。特に惜しいのがアンソニー・マッキーで、ケイシー・アフレックとは「10年来の相棒」くらい絆深めておいてくれないと、せっかく裏切っても味気ない。アーロンの過去ももうちょっと掘り下げようがあったはず、ピッカピカの新人警察官に何があったらあんなヤサぐれたヤク中になるのか知りたいよ。想像では補いきれないぐらい、ちょっと背景が曖昧すぎる。MS13とかも雰囲気作りの飾りだし、ブラックウォーターUSAも悪仲間と知り合うためのツテみたいになってるし。設定が活かし切れてない。
とは言え、これだけの豪華キャスト達全員に見せ場を作って、特に破綻もなくそれっぽい話に仕上がってるのは凄いと思う。ガル・ガドットはもったいなさすぎだったが。
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