カント

ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男のカントのレビュー・感想・評価

3.9
南北戦争中、南北の第三極として黒人奴隷と共闘した実在のリーダー、ニュートン・ナイトの自由への闘争を描く。

見方によってはアメリカ版「水滸伝」のような感じで、湿地帯を拠点に戦う様子は梁山泊を彷彿とさせる。

▼ミシシッピ州ジョージア郡出身の南軍の衛生兵ニュートン。甥の戦死を機に脱走。故郷では食糧や資材の徴収に苦しむ農民が居た。
息子ウィルの病気。医者は居ない。来てくれたのは黒人医療師の若い女性レイチェル。
▼農民を守る為の行動により追われる立場になったニュートンは沼地の隠れ場所へ潜伏。鉄の首枷をはめられた黒人奴隷モーゼス達に出会う。
首枷を外す打撃音で捜索犬が駆け付けるが撃退!
ニュートンは徴収する南軍の兵を包囲して物資を守る「ジョージア郡の自由軍」を結成。
焼いて焼かれて、また焼き返して。怨恨の連鎖。

▼南部は綿花栽培の盛んな地域。綿花の為に黒人奴隷が働かされた。
黒人女性レイチェルは、フカフカのベッドを触る。その中には虐げられて作り続けた綿花がふんだんに使われている。レイチェルの涙が黒人奴隷の感慨を物語る。

脱走兵と貧乏農民と黒人奴隷、総勢250人の自由軍。離反する者、意見の相違。そしてKKKの台頭。モーゼスへのリンチ。黒人初の参政権。死を賭して共和党に一票を投じる黒人達。

▼ラストに、ニュートン・ナイト本人の肖像が出るが、主人公を演じたマシューにそっくり!役作りの執念を感じました。
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