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海難1890のKUBOのレビュー・感想・評価

海難1890(2015年製作の映画)
4.0
今日の試写会は「海難1890」。内野聖陽主演の日本・トルコ合作映画。1890年にあったトルコからの親善使節団が和歌山沖で沈没した実話に基づく作品だ。

まず言えることは直球の大作映画だ、ということ。企画開始当初はスポンサーも付かずに金策に困っていたという話しが信じられないほど、明治時代の和歌山の漁村のセットも、トルコの帆船もこだわり抜いている。

また名ばかりの合作映画もあるが、この作品は日本とトルコががっぷり四つで作った感じが伝わってくる。トルコからの長い船旅を描くパートなど、丁寧に迫力満点で描かれている。資料がなくてわからないが、トルコ側キャストもトルコでは有名な俳優なのかな。

監督は「利休にたずねよ」の田中光敏。この人の作品は絵がきれいだ。今回の作品でも絵の迫力、絵の美しさは抜群だ。

そして何だか豪華過ぎるキャスト。主演の内野聖陽を始め、忽那汐里、永島敏行、竹中直人、ちょい役なのにかたせ梨乃などなど、どこから見ても隙のない大作。

言葉が通じなくてもお互いを助け合う姿は見る者の胸を打つ。私も「1890」も「1985」(後半に挿入されるもう一つの逸話)も実は知らなかったのでこの作品を見て本当によかった。

和歌山の友人に聞いた話ですが、和歌山には今でも「トルコ祭り」というお祭りがあって、トルコとの友好が続いているそうです。
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