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海難1890のkimaguremovieのレビュー・感想・評価

海難1890(2015年製作の映画)
3.8
日本とトルコのこの出来事を知ることは色んな意味があるように思いました。エルトゥルル号の件はもっと日本人自体が知るべき史実と思っていましたので、映画化は素直に嬉しいです。イランイラク戦争時のトルコの恩返しも然り。トルコの多くの国民は知っている歴史です。米中韓ばかりが世界ではありません。

日本人の素の良さが全開で恥ずかしいほど。でも事実なのです。食べ物を子供と分け合う姿に涙し、合唱とトランペットでの別れには微笑んでしまいました。日本人って根源的に素晴らしい国民です。誇らしく思いました。

ムスタファの事態の飲み込みの悪さ、テヘランでの自動車エンジニアの思慮の浅さは、必要な設定だったのかな? 船員と島民の交流が描かれてないとか、酒を飲む竹中直人とかも。串本とテヘランの繋ぎの不自然さ、演出の粗さも気にはなりました。船のシーンはよかったんですが。さらには政府広報的な政治色の匂い、押しつけがましさ…。史実優先でそこには目をつぶりました。

テヘランパートでの、日本政府、日本航空の対応、悲しいことにこれも現実です。国際政治の力はトルコの足元にも及ばないのかもしれない、ということも突きつけているように思いました。

そして、普通の国民がまごころを当たり前のように行動に出して結果として絆を作りました。主役は国民です。
映画としての脚本や演出を求めるというより、史実を知るのに必見の一作です。