リノカタ

海難1890のリノカタのレビュー・感想・評価

海難1890(2015年製作の映画)
3.9
没落の兆しが見え始めた末期のオスマン帝国。欧州の圧力に耐えるため、日本への航海は国の威信を賭けたものであった。老朽化した軍艦でなんとか日本にたどり着くも彼らに悲劇が起こる…。

現代でも起こりうる海難事故…。ましてや100年前といえば船の耐久性も安全性もまだまだ発展途上でしょう。文字通り海を越える長旅は命がけの行為だったのです。

道徳の教科書でも取り上げられたエルトゥールル号海難事故を知っている方もいるのではないでしょうか。和歌山県沖大島で難破したトルコ人たちは現地の人々に助けられました。台風の中、食料も乏しくおまけに相手は見ず知らずの外国人…。それでも懸命な村人たちの介護で69名もの命が助かります。

時は移り1985年。海難事故から95年が経ったある日。中東でサダム・フセインがイランとの間に戦端を開きます。これに際してフセインは48時間後以降にイラン上空を飛行する航空機の無差別攻撃を宣言しました。イラン在住の外国人は急遽国外退去の危機に陥りますが、日本は救援機を飛ばせないと回答。そこで手を差し伸べてくれたのが何を隠そうトルコだったのです。

日本、トルコの合作映画でトルコ側の描写もかなり力が入っていました。泣ける、良作です。
リノカタ

リノカタ