ラウぺ

ブルックリンのラウぺのレビュー・感想・評価

ブルックリン(2015年製作の映画)
4.0
シアーシャ・ローナンは透き通るような色白で目鼻立ちのすっきりした女の子でしたが、すっかり大人の女優になってしまって、そこは何とも複雑な心境ではあります。

これは素直に名作だと思いました。
冒頭の数分を見ただけでも、セリフや演技のうちに細かい機微が丁寧に描写されていて、全体に丁寧なつくりであることが分かります。
しかも、話の展開に無駄がなく、過不足なくどんどん話が進んでいきます。かといって決して軽い話というわけではありません。
田舎(=実家)を出て一人で別の土地に住んでみると、そこには新しい世界と出会いがあって、次第にそこに馴染んでいく、という、「お上りさん」なら誰でも経験のあることが的確に描写され、田舎と新天地との二者択一を迫られるという展開は非常に明快で、誰にでも理解されやすいものです。
話のオチも見事に決まって、これは殆ど完璧な作品ではあるまいか?と思いました。

少々時間が経つと、あまりの真水のようなスムーズさ(話の内容が、という意味ではなく)に、もうちょっと毒気があってもいいのかな、という気も少ししてきましたが、こうした一点の曇りもない明快な作品には清々しささえ感じました。
ラウぺ

ラウぺ