れれれざうるす

ピンクとグレーのれれれざうるすのネタバレレビュー・内容・結末

ピンクとグレー(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

久々のレビュー、そして2016年初レビューがまさかの邦画。

最初の1時間は凄く好きな青春映画だった。
そして宣伝でも散々言っている62分後のシーン。
“衝撃の”とつけるくらいだけど今更このフレーズには騙されない。と思っていたし、実は撮影でしたパターンのオチなんてゴロゴロ転がってるし「なんだやっぱりその程度か」とガッカリ…
と思いきや、
やっぱり本作は間違いなく素晴らしい青春映画だった。
“衝撃の”から変わるのは主人公だけで、物語の本筋を変えないのは斬新。

観る人によって「芸能界のブラックな部分を描いた映画」「ただのアイドル映画」「とてもいい映画」「何が言いたいのか全然わからない」と様々な意見が飛び交ってるけど、私は綺麗な友情ストーリーだと感じた。

『本当の自分なんて自分でもわからない』といったような台詞があったけど正にその通り。

例えば、自分では親友と思ってる人がいる。でもその親友には別の友達がいたとする。その別の友達と自分が、その親友について語ったときに「あの子そんなことする子だっけ?」「あの子のそんな話聞いたことない!」となった経験が誰しもあるはず。(と勝手に思ってるけどなかったらごめんね☆)
では、その親友はどちらに“本当の自分”を見せているのか?

それはきっとその親友もわからない。
人って何故か、悪い部分や裏な部分を垣間見た時にその人間の素を見てしまったと思いがちじゃない?
自分の性格の悪さを見られたときに素がバレてしまったと思い込みすぎじゃない?
私をFilmarksでしか知らない人に「どんな人ですか?」と聞いたら「血とインドとホモが好きな死体愛好家」と言われるだろうし。(誰か否定して下さい)
でも私がどんな映画を観てどんな感想を持ってるのかなんて親友も家族も知らない。
結局はどんな自分も“自分自身”なんだろうね。

なんで本作が綺麗な友情ストーリーと思えたかというと、ごっちとりばちゃんはお互いの抱えている負の気持ちを見せたくない仲なんだと捉えた。そりゃあ成瀬なんかにりばちゃんの話なんてしないだろうと…。会う度愚痴しか話さない友達もいれば、夢を語り合い美味しいものを一緒に食べて幸せになれる友達もいる。でもどちらも己の精神を支えるのに必要だったり、様々な自分がいてこそ自分が成り立つというか。
りばちゃんにはごっちとの思い出はとてつもなく綺麗に残っていて、それって凄く美しくて羨ましい。

ごっちが実は姉を…のくだりではもっと掘り下げてほしい感は多少あったし、散々引っ張った自殺の動機にしては内容薄すぎるけど、結局は1人の人間を全て理解してる人間なんて誰1人もいないんだろう。
りばちゃんは、深い付き合いのある友人や恋人と「俺とお前は全てをさらけ出しているし分かり合っている」と思い込んでいるはず。
その傍ら、ごっちは「人は人と完璧にわかり合うことは出来ない」とあらかじめ頭に置いて生きているタイプに感じた。

りばちゃんはたまたま週刊誌に撮られた写真1枚で恋人の信頼を失う訳だけどそこで気付いてしまう。
自分が他人をわかってない以上に、他人が自分をわかっていないことを。

関係を築くのは難しいけど壊すのは容易いもんだね。
結局そんなもん。しょーもな!



ところで、
若い客が沢山いるところで映画を観ると必ず各ブロックに現れるマナーの悪い奴ら。今回もやはりいました。後ろのクソ女はずっと笑っててすこぶる不快。
そして近くではスマホの輝きがずっとしている。
よく見ると、
私 の 彼 氏 。
付き合いたてで初映画館デートを決め込んだのだけどこればっかりはアカンよね?アカンやつよね??ブッコロしていいよね??そして念願の死体になってもらってから一緒に映画みればいいかなぁー??(憤怒)


このレビューは自分に言い聞かせたかっただけです。
ちなみにこのモラルのないクソ男とは別れました。
以上です。
今年もよろしくお願いします。