なんだろう……なんかかっこわるい……。
あの美しかった押井版の街並みが悲しいことに。
なんだかブレードランナーっぽくはあるんですけど、それにしても微妙に上滑りしている感がある。
なんというか、「近未来の生活を想像した結果ブレードランナーになった」のではなく、「最初からブレードランナーをモデルに作られた街」っぽさがすごい……。
いろいろと、原作にあった魅力が台無しなのが惜しい作品でした。
凡百の安いハリウッドSFという印象。本作単体で見たら面白いのかもしれないですけど、なまじ元を知っているだけに本当に厳しい……。
リメイクに伴う設定の改変や独自解釈そのものはむしろ好きな方なんですけど、本作においてはその結果がうまくいっていないように思います。
他の『攻殻機動隊』の彼らに比べて、並び立てるだけの魅力がないのが悲しい。
加えて主題が弱いというか、なんならSFでなくてもやれそうな範囲だったのが物足りない。
記憶とアイデンティティのお話なのですけれど、提示された答えがあまりにも安すぎるというか……。
たぶん言うほど出来の悪い作品ではなく、むしろ良いところも多いはずなのですけれど(難解さを排して非常にわかりやすくしたところとか)、でも個人的にはまったく楽しめなかったお話でした。