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ゴースト・イン・ザ・シェルのromioのレビュー・感想・評価

1.5
攻殻機動隊は超アンタッチャブルな作品にして、原作が出来上がりすぎているほど出来上がっているので、誰でも手を加えてOKみたいな不思議な作品に感じる。
もともと、アニメ版、劇場版、漫画版、アライズと見てきた身からすると、それぞれめっちゃ違っていてどれも面白い。
その製作者の好きなシーンを中心に、世界観を踏襲しつつ、自分の味付けもしておりよいのだ。
今作は、そのハリウッド版。
言うなら、原作に、ダースベイダーとロボコップを足したような話になっていた。

しかしこう考えると、やっぱブレードランナー神だったなと強く感じる。
あちらで言いたいことは全て言ってしまっているから。
今作の最大の欠点と言うと、登場してから、少佐がめっちゃ動揺しており、その不安なんかがこちらにダイレクトに伝わってしまうこと。
少佐にはエロくて、クールで、ゴリラババアの彼女であってほしい。
だからアライズもあまり自分は好きではない。
少佐ー!!とこちらが叫びたくなるような存在であってほしい。
素子ーと叫ぶのはバトウーさんにだけまかせておけばよいのだ。

ビートたけし、バトウ、少佐は見る前の印象よりかはよかった。
個人的な山場は、水辺でのバトルシーン。
他が暗闇での戦いが多かったのに対して(スターウォーズかよと何回か思った)、こちらは明るくおっと思うような再現度であった。
映画後半はもはや、退屈で退屈で正直よく見ていない。
吹き替え版だと、アニメ版の声優さんが担当しているらしいので、そちらで見た方がファンとしては楽しめるのかもしれない。

自分とは何ぞやというアイデンティティの捉え方が大きく違った。
自分とは何ぞやではなく、アイデンティティさえあれば自分すらもいらないという少佐を、そんなに先に行かないでーとバトウやトグサの立場から追っかけたいのです。

続編ももともとあったようですが、どうやらちょっとこちらがコケてしまったようで厳しいとかなんとか。
うーん単純におもろないB級映画になってしまったね。残念。
しかし、攻殻機動隊大好きな人のレビューを読むのは実に面白い。
映画よりも面白い。
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