日向日向

ゴースト・イン・ザ・シェルの日向日向のレビュー・感想・評価

3.0
スカヨハさんのお小遣い稼ぎ。

ブラック・ウィドウ役でマーベルスタジオお抱えのベテラン女優へと上り詰めた彼女が今度はサイボーグに!
ブラック・ウィドウとの区別化できていなかったけれど、一般的な娯楽作品以上には仕上がっていて、原作未見でもまあまあ楽しめる仕上がりでした。

冒頭から実際とは明らかに違う日本像が投影されておりますかま、あそこまでいくとあまりにも非現実すぎて怒りは込み上げて来ないものです。それどころか世界観にのめり込むことができました。
退廃的な施設の造形や幾何学的なオブジェなどは目を見張るものがありますが、あまりにも過剰に思えました。
ステルスやサイボーグ的な滑らかさを意識した戦闘シーン、ホログラムを駆使した回想シーン等は素晴らしいのに、それ以外の建物やキャラクターにまで意表を突いた表現や芸術性を意識しすぎてるんですよ。結果、どのシーンも記憶に残らなくなってるんですよね。

声優をアニメ版のキャストのまま起用した結果キャラ等は立っていましたが、それは映画としての評価には結びつけられませんし、なかなか評価しづらい作品です。
序盤は独自性をどうにか表現しようと努力する癖、終盤はどこにでもあるヒーロー物などのオリジン映画と同じような締め方をしている辺り、本当に惜しいと言うほかありません。

長い歴史を持つ作品で、下手な改変は不評を招く要因になりかねないので、当たり障りのないように映画化したんでしょうが、それが仇になった感じ。
日本と海外の実写作品の違いはその技術力とそれを補う予算にあると個人的に思うんで、少し冒険してみてもよかったのかもしれません。マーベルとかみたいに。
だけど、原作を見たいと思わさせられたので、その観点では並以上に面白かったんだと思いますね。
日向日向

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