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人生はローリングストーンのAKのレビュー・感想・評価

人生はローリングストーン(2015年製作の映画)
3.5
果たして一体何人の日本人がデイヴィッド・フォスター・ウォレス『Infinite Jest』を読了したのだろう。留学先のアメリカで読んだとM永さんは言っていたが、そうでもしなければ読めないだろう。つまり日本で20人もいないと俺は予想する。『失われたときを求めて』や『フィネガンズ・ウェイク』『特性のない男』は、なんだかんだ結構読んだ人間はいる。それはずばり翻訳が存在するからだ。『Infinite Jest』の翻訳、そんなものが未来にも出版されるとは到底思えない。

にもかかわらず、『Infinite Jest』は90年代の伝説であり神話であり且つ今なお読まれ続けているマスターピースであると皆が認めている。たとえばそれは『パターソン』の本棚に現れるし、現代文学を語る者の唇から必ず発せられる。

わかっちゃいるけど読めない。本棚に積まれたままの巨大な作品は、今日も僕の本棚に鎮座したままで、じっと僕を睨んでいる。
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