みや

アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発のみやのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

社会心理学者ミルグラム博士が行った服従実験が社会に衝撃を与えるサスペンス。

アイヒマン実験(ミルグラム実験)というものは、実際にあったらしい。
「上から命令されると、自らの意志や倫理道徳に反したことでも服従しがちになる」という実験結果から、「ナチス戦犯たちは普通の平凡な市民であり、一定の条件下で冷酷で非人道的な行為を行った」ということになったのだとか。
現代の私からすると比較的納得しやすい結果なのだが、当時としてはセンセーショナルだったのかな。
こういう主従の実験を取り扱った作品は好き。
この映画がどれだけ実話に沿っているのだろう。
ノンフィクションのようだった。
凄く面白かったけれど、映画として面白かったのか、実験そのものが面白かったのかがよく分からない。
とりあえず面白かったので、観て良かった。

今まで観たり読んだりしたものは従属する側の行動がメインの作品が多かったように思う。
ミルグラム実験は行為を行う側がどこまで残酷になるかという実験だったので凄く興味深かった。
他の実験もどれも気になるものばかりで、他の本や映画で、もっと知りたい。
宛先の相手へ向けて、次々と人を繋げていって届ける実験は特に興味が湧いた。

犠牲者、やり方、時代は違っても、残虐な行為は今も起こり続けている。
「なぜ起こるのか」
この実験は結果ではなく、『人間』というものを知る途中経過に過ぎないのだと感じた。
みや

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