【お金をかけてない映画】
映画はカネをかければいいというものではないけれど、カネをかけなきゃいいというものでもない。この映画を見て、そう思いました。
タイトルのロマンスって、小田急のロマンスカーのことなんでしょうね。そのロマンスカーで飲食物の販売係をやっている女の子(大島優子)が、こともあろうに飲食物を積んだカートから品物を万引きしようとした中年男(大倉孝二)と、どういうわけか一緒に箱根旅行をすることに、というお話。
ロードムービーなんだろうけど、いかにもお金がかかってないな、という感じ。中年男は映画のプロデューサーで、むかしお金をたっぷりかけた映画を作ったはいいが大コケした話をします。なるほど、映画はたしかにお金をかければいいというものでもない。それは確か。だけどね、この映画自体がいかにもお金をかけてないし、だからこの程度の作品になっちゃったんじゃないの、と言いたくなるのだな。
ヒロインと母との葛藤などは、もう少ししっかり描いて欲しいし、中年男の仕事と家族の両面での挫折ももっとちゃんと語らせてほしい。ほどほど、このくらいでいいだろう、って意識で作っているのが見え見えなんですよね。
あと、キスシーンではちゃんと唇と唇を合わせたキスをさせてね。唇をはずしてほおや首筋だけのキスなんて、いかにも主演女優を大事にしすぎているっていうか、事務所の意向の言いなりというか、要するに手抜きだったことが分かっちゃうんだよ。
テレビ放映かDVDで十分ということで、この点数。