ぴよまろ

マイ・プレシャス・リストのぴよまろのレビュー・感想・評価

マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)
3.7
ハーバード大学を飛び級で卒業した天才だが、孤独で対人能力がない主人公が、セラピストから受けた課題「幸せになるためのリスト」を達成するために、様々な人と関わりながら成長していく物語。

対人能力が無いというよりは、頭がいい故に、そうした自分を演じなければという意志の固い、頑固で複雑な主人公。それを周囲の人たちが受け入れてくれることで、優しくほぐしてくれるという物語でした。また父親も、優秀すぎる娘に対して、何をしてあげればいいかが分からない不器用さがあり、最後にその答えをお互いが見つけることが良かったです。遠回りしたけれど、ようやくお互いの距離感を掴めた親子関係が素敵でした。

マンハッタンが舞台になっていますが、きらびやかな街との対比で、そこに暮らす普通の若者たちの生活感がみられたのがよかったです。象徴的なキャリーとサイとの夜の散歩シーンのように、決して広くは無い部屋にルームメイトがいたり、クラブやパーティを楽しむ人もいれば、そういう場が苦手な人たちもいる、そんな多様な人々がごった煮で暮らす街、というのが垣間見られました。また、本で作ったクリスマスツリーは本当に素敵。

不器用な人たちが生きているマンハッタンの、優しい物語でした。
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