飛び級でハーバード大学を卒業した天才だけど、読書ばかりして他者と交わろうとしない19才女子が、セラピストに言われて「今年中にやることリスト」を渋々クリアしようとする話。
早々からリストの話を出すけれど、決してリスト中心に話を回さない。付き過ぎず離れ過ぎず、絶妙のバランスを保ちながら、エピソードを重ねるから話が単調にならない。展開も早く観客を飽きさせない。
序盤の父との電話のやりとり一発で彼女の寂しさを表現したり、イヤホンで聴く音楽の音量を操って彼女の内面世界を表現したり、観客をいとも簡単に映画の中に引き込む。
うまいなあ、と何度も感じた。
他者と交わることで生まれる何か、が大袈裟ではなく静かに丁寧に表現されている。表現のうまさだけではなく、表現されている中身も好き。