米粉

エール!の米粉のレビュー・感想・評価

エール!(2014年製作の映画)
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涙で有楽町が沈んだ。
予告の溢れんばかりの“良い映画感”に少々アレルギー反応を起こし、公開直後はスルーしてしまっていた作品。
27歳の幕開けくらいは1人も死なない映画を、と決めていたので、評判の良い本作を選んでみました。
親は子供に与える存在だとばかり思っていたが、子供が親に与えるものも沢山あるんだろうなと気付かされた。
父親がテレビの取材に「聾啞だからといって仕事に支障をきたしたことはない」と答えていたけれど、それは紛れもなく娘の支えがあったから。
このお話は主人公の旅立ちであると同時に、残された家族たちの新たな生活の始まりでもあると思う。
これからマルシェでチーズを売るのにも苦労するのだろうけれど、そのたびにこの家族は娘に今までどれだけ助けてもらっていたかを痛感するのだろう。
そう考えると、離れてみることがお互いの大切さに気付く一つのきっかけになるのかもしれないなと思った。
私は実家が横浜で、生まれてからずっと家族と一緒に生活している。
「東京でビッグになって帰ってくる!」と言い残すような故郷もなければ、本当にやりたいことを我慢して家業を継がなければいけないといった葛藤もない。
地方から出てきて単身頑張ってるような人を見ると、いまだにぬるま湯のような幸せな環境に甘えていることをコンプレックスに感じることもある。
やりたいことにひたすら向き合える場所があり、疲れたら帰る場所がある。
そんな主人公が私はすごく羨ましいと思った。
そろそろ一人暮らしでもして、お腹すかせて帰ってきても当たり前のようにご飯が出てこない環境に身を置いてみたいなと、そんなことを考えてしまいました。
ただ、疲れたOLにご飯作りたいっていうベン・ウィショーなら常時大募集です。(ライアン・ゴズリングでも可。)