いよら

エール!のいよらのレビュー・感想・評価

エール!(2014年製作の映画)
3.8
自分以外の家族全員が聴覚障害をもっており、家業の酪農を手伝いながら学生生活を送っている主人公の女の子。家族は、耳の聞こえる主人公にさまざまなことの通訳を頼み、依存している状態。ある日学校のコーラスの授業で、歌の才能を持っていることがわかり、専門的な歌の勉強をパリで学ぶように先生から勧められる。初めて自分でやりたいことを見つけたが、家族にそれをなかなか打ち明けることができなくて…。

自分以外が聴覚障害っていうのは、なかなかに大変な状況だなと思います。家族自身は明るくて根はいい人たちではあるんですけどね。家族と他の人たちとの間に入り続けるってのは結構大変だと思います。
自分のやりたいこともままならない。
家族のために犠牲にしてきたこともたくさんあるんだろうなと思います。
そんな中でやりがいのあること、やりたいと思えることを見つける。
でもその夢を追うことは、家族のそばにいられなくなるということ。
家族は自分を頼りにしてるってわかってるからこそ、なかなか前に進めない。
家族にもなんで自分たちを置いて出ていくのと責められてしまうし。
耳の聞こえない家族にとって、歌というものは理解しにくいもので、周りの人が感動してることや、歓声を送っていることはわかるけど、実際に自分自身で感じることができない。
でもその中で、少しずつ、家族も想いに応えてくれるようになる。

ラストの歌のシーンは本当に良かったです。家族にちゃんと伝わるように歌う。曲のセレクトもいいですね。想いそのままなんだろうな、と思いました。
成長と、旅立ちの物語という感じでしたね。
いよら

いよら