明石です

心霊玉手匣の明石ですのレビュー・感想・評価

心霊玉手匣(2014年製作の映画)
4.9
ひょんなことから心霊映像を撮影してしまい、心霊企画部に投稿した3人の若者が相次いで失踪。3人の不可解な失踪は、同じ地域で起きた同じ心霊事件に繋がっていた!!『ほんとにあった!呪いのビデオ』の岩澤宏樹氏が手がけた投稿モノの心霊シリーズ。どうして今まで見てなかったんだろう?と思える超良作でした。

投稿映像をディレクターやカメラマンが検証していくというモキュメンタリースタイルで、まずは手始めにアンビリーバボーの心霊企画さながら3つの投稿映像を見る、昔懐かしの流れ(お分かりいただけただろうか?)。どの映像も質が高いのだけど、四つん這いで迫ってくる女性は本気で鳥肌たった。投稿者の手元ブレブレの主観映像の臨場感も相まってガクブルよ、、ホラー映画は深夜に部屋を暗くして見るのが好きなのだけど、こればかりはトイレ行きたくなくなったぜ、、

そして3つの映像が実はひとつの事件を根っこに繋がっているという、コワすぎ!を踏襲した(けれども全く古びない)展開に。謎解きの鍵はデート代行サービスの女子大生を握っているとのことで、カメラマンが隠し撮りしながら潜入捜査!見るからに異性とは縁のなさそうなメガネ男児が、19歳の彼女と逢瀬を重ねるうちに、恋してしまう!(何を見せられてるんだ、、笑)。あれよあれよという間に話は進み、まさかの温泉旅行に誘われるメガネ男児。この映画面白すぎる!

取材を放棄して美女と温泉旅行に行ってしまったカメラマン失格のカメラマンと、3本のテープの投稿主を追うディレクター。2つに分岐したストーリーがどう繋がるのかと思い見ていたら、、これは凄い。投稿映像からひとつの物語が形作られていく感じ、理屈的にはやや強引でも、この手法自体が新しいから何の疑問もなく惹きつけられる。そういえばディレクターも終始タメ口のパワー系だし、絶対工藤Dを意識してるな!笑

ただの童貞男だと思ってたカメラマンに隠し撮りされていたことを知った少女(実は高校1年生、という設定らしいのだけど全然そう見えない笑)の態度の変わりようは、日本の映画ならではだなあと思う。キャラ作りがアニメっぽいというか、少なくともハリウッド映画で、こういう風に喋り方でキャラクターに強烈な個性をつける映画ってあんまり見ない気がする。台詞の中身よりも喋り方が独り歩きしてるこの感じ。でも見てるうちにだんだん好きになってくるのが不思議。まあ日本の映画だし文化のうちかなって納得しちゃう笑。

そしてパワー系ディレクターよりもさらにパワー系な本性をあらわにした彼女の、いつまでも撮ってんじゃねーよ、馬鹿!!の一喝とともにエンドロールが流れてくるラスト。最高の映画か?霊能力者らしいこの少女は今後ともこのシリーズのヒロインとして活躍していく予感が漂う幕引き。あ、16歳に見えないのは態度が大きいからかも。だめだこの人好きになってきた、、

朝の4時に見始めて、投稿モノなので半分くらい見たらあとは明日かなあと思ってたら、結局最後まで見ちゃった。久しぶりに眠れなくなるほど面白いホラーシリーズを見つけたぜ、、ここ1年くらいコワすぎロスだったので嬉しい、、このシリーズは何度も見る予定!
明石です

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