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みかんの丘のCのレビュー・感想・評価

みかんの丘(2013年製作の映画)
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ひとつ屋根の下でともに暮らす間に生まれた感情は、憎しみをも凌駕する、それがたとえ争い合う関係にある人間同士だとしても、だ。30年戦争をベースに作られたカレルゼマンの「狂気のクロニクル」のワンシーンをふと思い出す。おんなじテーブルにつき、一緒に食事をとる、こんななんてことないことが大事だったりするのかもなあって。銃の代わりに、スプーンとフォークを持って。生まれ育った国が違えど、ひとであることに、何の違いがあるのかという、おじいさんのメッセージはとてもシンプルだったけど、とても大事なことなんだと思った。憎しみが憎しみを生み、また新たな争いが始まり、きっとそこには何も残らないのだろう。何のための戦争なんだろう。ひとがひとを殺していいだなんて、誰が言ったのだろう、誰にもそんな権利はないはずなのに。静かに響く作品でした(ふにゃふにゃ菩薩とともに)。
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