カント

みかんの丘のカントのレビュー・感想・評価

みかんの丘(2013年製作の映画)
3.7
1992年アブハジア紛争を描く戦争ドラマ。アブハジア共和国とジョージアの、国境の狭間に取り残されたエストニア人のイヴォ。イヴォは、ただミカンを収穫したかった。

▼コーカサスにエストニア人?一応、冒頭のキャプションで100年前の入植の様子が語られていますが、エストニア人は随分と遠くまで入植したもんだ。日本人もハワイとかブラジルに入植してるので同じような感じかな?

▼エストニア人で、ミカンの木箱作りしている老人イヴォ。ミカン栽培している老人マルゴス。ミカンは完熟していて早く摘んで出荷したい。

アブハジア側のチェチェン人の傭兵アハメド。ジョージアの国境を守備するジョージア兵のニカ。
※ソ連が崩壊してジョージアも独立したがっていた。アブハジア側はジョージア独立を阻止したい。

老人イヴォの作業小屋の前で小競り合い。生き残ったのはアブハジアの傭兵アハメドと、ジョージアのニカ。イヴォの家の中で、殺す!やってみろ!の言い争い。でも2人は重症だった。立ちあがる事も出来ないジョージア人のニカは言う。「俺の国から出て行け」
医師ユハン先生の処置で快方に向かう2人の兵士。

▼マルゴスの畑のミカン畑は完熟していて一刻も早く収穫したい。それには30人の人手が必要。
イヴォの孫娘(写真のみ)
黄色のカセットテープ。
▼同じ言語を話す人間が殺し合う愚かさを、痛烈に批判する反戦の願いが込められている秀作。
※日本でも、ほんの150年前まで『薩摩だ、長州だ』って自国民同士で殺し合いしてましたけどね😅たぶん長州の末裔の安倍首相はNHK大河の『西郷どん』を歓迎していないはず(笑)

本作の48分頃にラジオの音楽で言い争いします。中東音階でクレズマーっぽいけれど、津軽三味線の様にも聞こえる不思議な音楽でしたね。

本作は登場人物5人のオッサンのドラマ。女性は写真のみで、全く登場しません。ヒロインが欲しかったなー。
※同じテーマの映画としては「ククーシュカ/ラップランドの妖精」が面白かったのでオススメです。
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