えだ

みかんの丘のえだのネタバレレビュー・内容・結末

みかんの丘(2013年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

話の展開、メッセージ共に普通オブ普通過ぎて肩透かし

せめて敵同士の2人が相手も自分と変わらない人間なんだと気付くまでの描写をもう少し丁寧に描くべきだった

恐らく本作で観客に1番カタルシスを与えるべきニカがチェチェン兵たちに銃を放つシーンも、ニカの心境が変化していく過程の描写が乏し過ぎるせいで恐ろしく軽い

それにアフメドが良い奴過ぎて、びっくりするくらい早くニカを殺すのを諦めてしまう
そのせいで序盤の一触即発の緊張感がなくなり、中盤から場面がだれてしまっている

老人も酷い

時折りキレて2人に説教を始めるが、ただ"正論"を押し付けようとしているだけで、2人の心情に全く歩み寄ろうとしないから全然心に響いてこない

終盤、戦争が終わったらアフメドと2人でニカの演劇を観に行くかもしれないとか勝手に自分の妄想をドヤ顔で語るシーンとか気持ち悪いとか通り越して不気味過ぎる…

相手を理解しようとせず自分の常識や価値観に相手を無理やり当てはめようとすることこそ争いの火種なんじゃないの?だから、まだ紛争が続いてるんじゃないの?とか色々考えてしまう

あと、2人がそれぞれキリスト教、イスラム教を信仰しているのかぶっ込み方が雑&説明的過ぎるし、マルガスの存在や繰り返し強調される孫娘の設定とか物語上ほとんど機能していない要らんもんが多い
えだ

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