戦争をし合う醜さと悲しさの核心をどストレートに突いててメッセージ性がかなり強い作品だった。主人公のイヴァはかなり謎めいてて優しさの中に怒り、悲しさとか強さがあって、何か悟ってるんだろうなって思わせられて演技にどんどん引き込まれた。中盤のアハメドとニカの掛け合いがチェチェン人とジョージア人のリアルな対立が浮き彫りになってて、民族争いの根本的な部分が表れていたなと思う。でも結局敵同士でも緊急事態の時に擁護し合って敵味方関係がなくなっていた。人種は違えど同じ人間だから分かり合えるものだって感じさせられて、同じ人間が争う醜さと悲しさをリアルに表していたと思う。また敵同士が同じ場に居合わせて心通い温かい雰囲気になった瞬間に突然シリアスな雰囲気に落としていく感じが、よりこのメッセージ性を深めていたと思う。終盤でイヴァにお互い土地を守るための戦争で、敵同士も何も違わなく同じ人間なんだってことにはっと気づかされて深く突き刺さる核心的なメッセージだった。あと無音状態が多かったからか、かなりリアリティがあってのめり込めた。個人的にはめちゃくちゃ良い作品だったからゼミ試に使う感想文の題材にしようかなあって思ってレビューを気合い入れて書いちゃった。