ゆりな

ガールフッドのゆりなのレビュー・感想・評価

ガールフッド(2014年製作の映画)
3.7
セリーヌ・シアマの女性性って「水色」でいいな。女の子=ピンク色で表現されがちで、私はピンクが苦手だから、余計青色に惹かれてしまう。

今までの作品と経路がちょっと違って、音楽がある!
説明もなく急に物語がはじまるところは、「水の中のつぼみ」もそうだし、セリーヌ・シアマらしさがある。

普通の映画だったらティーン4人集まったら、男の子とのデートシーンが嫌でもあるはずなのに、ソフィア・コッポラの映画のように、男性があまり出てこない。
その分、女同士のつるみや家族問題に焦点が当たっていい。邪魔しない程度の恋愛シーンで、家族や在り方を引き立てる役割に収まっていていい。

どのあらすじにも「不良グループとつるむようになる」とあって、どんどん悪の道に沼ってくダーティーな話かと思いきや、違った。確かにやってることは悪いけど、コメディや犯罪クライムではよくあるレベル。

アフリカ系アメリカ人の主人公たちが、暗闇の部屋や夜道のなかにいるシーンは「ムーンライト」の映画みたいに、どのショットも彫刻みたいできれい。
ブロンズ像のような肌の美しさも「ムーンライト」みたいだな〜と眺めていたが、他の方の感想で思ったけど、そっかこれ2014年の映画なのか!もっと前なのすごいや。

最新作は子どもが主人公だからあれだけど、基本的に人物の肉体の描き方がきれいすぎる。エロとか下心ではなく、男性監督にはない、肉体美。
他の監督作も引き込まれる映像が多いのだけど、本作は色のコントラストだったり、MVのような魅力がありつつ、決して浮かれていない。

夜ぼんやりと悩んで眠れなくて、部屋を飛び出してしまうのも、ティーンならではでいいよね。明日寝不足になるとか、明日のことはあまり考えなくていい。
ほろ苦いラストシーン含め、よかった。
ゆりな

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