唐代の中国を舞台に、暗殺者として育て上げられた女刺客の悲しい宿命を描いた物語。
第52回台湾・金馬奨においての5部門受賞も納得の映像美!!
雄大な自然の画と壮美な奥行きを感じさせる室内の画が凄まじい!!
長回し&なかなかカットを割らない編集に若干、監督のドヤッ感を感じなくも無いですが、それでも尚惹きつけられてしまう映像の持つ魅力は非常に素晴らしかったです!
特に、割と序盤にあった、草原を馬に乗った人々が横切るシーンでのフレーミングとフォーカスを移行ながらのカメラワークがとっても面白いなと思いました。
ただ、ストーリーがいまいち掴みづらい。
と言うよりも、撮りたい画が先にあって、そこに物語がただ乗っかって居るだけの様な印象を受けてしまいました。
(もしかしたら、もっと物語の時代背景についての知識があれば楽しめたのかもしれませんが…)
また、映像面に関しても。アクションシーンだけはかなり微妙。その他のシーン比べるとカメラの動きやカット数によって差別化されてはいるものの、どうせなら此処でも美術セットや自然のロケーションを最大限活かした演出が欲しかったかなーと。
→あっ。でも、冒頭のモノクロ映像で馬上の男の首を鮮やかに掻っ切るシーンはとっても素晴らしかったです。
設定が設定だけに、もっと明確なドラマ性を感じさせる様な演出を期待していたのもありますし、何よりも画の力が凄過ぎて、ストーリー自体は正直どうでもよくなってしまいました。
もうなんなら、映像と音だけで台詞なしでも良かったのではないかとすら…
うーん。なんだか、とっても映画玄人向けな作品と言った印象でした。