赤いジャケット

三朝小唄の赤いジャケットのレビュー・感想・評価

三朝小唄(1929年製作の映画)
3.0
湯の街に咲いた悲しい恋の話
スクリーンに映し出されるのはモノクロフィルム
荒い映像に小唄がスピーカーから流れ、弁士の口上が始まりゃ、気分は昔の映画館

女が一人おりました
女は町で一番の器量持ち
言い寄る男は数知れず
偶然出会った旅の画家
女は画家に惹かれていき
また画家も女に惹かれ町に居を構える
女は幸せだった
画家の元へ東京から使いがやってくる
使いは画家に東京へ戻って欲しいと頼みこむ
画家は女愛しさに町を離れられぬ
使いが言うには画家の婚約者は死の床、死ぬ前に死ぬ前にせめて一目
女は画家に言う、「一目会いに戻っておくんなせえ」
画家は必ず戻ってくるから約束し町を離れることに
女は画家が約束を果たすだろうことを思う
でも女は明日には遊郭に売られる身
二度と会えぬと知りながら、画家を見送る女
女の目はくもる、涙が頬をつたう

泣いて別れりゃ空まで曇る
曇りゃ三朝がよ三朝がよ雨となるよ

悲しい話です
男っていうのは戦前だろうが現在だろうが、自分勝手
わかったふりして無くしてしまう
女はわかっていながら受け入れる
何とも切ない恋の話