菩薩

快楽の漸進的横滑りの菩薩のレビュー・感想・評価

快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)
3.5
純潔を青、リビドーを赤と捉えるのであれば、青は汚されるべきもの、汚したいものなのだろうし、赤は瓶に封じ込めようとしたってその栓は開けられ、割られ、そして体内からも吹き出てくるものではないか。原罪に対する飽くなき挑戦、いや単に宗教批判的要素から鑑みれば、ブレッソンの『罪の天使たち』とか、カヴァレロヴィチ の『尼僧ヨアンナ』の系譜に並ぶべきものなんだろうけど、いかんせんおっぱいの主張が強すぎて、鑑賞中思わずもっ…うっとりする瞬間多々あり。我等がロメールの辞書にブラジャーの文字が無いのはもはや自明の理であろうが、ロブ=グリエは更にパンティーすら脱ぎ去ってしまった様で、途中からもはや「自分は何故服を着ているのだ…?」と、インフルエンザ罹患すら恐れない心境に陥りそうな自分に驚愕す。見事なまでのフーコー、そして澁澤龍彦案件、自由・平等・博愛に真っ向から立ち向かったサド的哲学と倒錯、抑圧と懲罰を主たる責務とする社会の姿、それでも人は幾度となく「過ち」を繰り返し歴史を構築していく。断ち切れ!そして孤立せよ!だが人は一人では成功(性行)出来ないのであって…。ただもうチンポ捨てたろかな、と思う事は此の所良くある。
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